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スカイクロラ謎解き

(夢解釈 by 夢希)



ver.1.02 2011/06/17


1.はじめに

 初めに,今回の謎解きはこちらのブログを前提としています。

特に参考になったのは時系列の整理,スカイクロラのαβ時系列説,2DtH時のカンナミ状態への草薙の憧れです。

(スカイクロラのプロローグは栗田が居なくなった直後(一週間後?)という証拠が多数出てくるので本当困ってました

事実(小説の文章)から出てくる解釈に私と違う点も有りますが,要点が大変分かりやすく整理されています。

 私の場合,謎解きといっても仮定に仮定を重ねていますし,作品と矛盾する点が無いとも言い切れません。

読み手に過ぎないわたくしの妄想,もとい想像。共に物語を楽しんでいただけたらと思います。






(1)お約束

a.文中で作品名は1NBA(ナバテア),2DtH(ダウンツヘヴン),3FiL(フラッタリンツライフ),4CtS(クレィドゥザスカイ),5SC(スカイクロラ),0SI(スカイイクリプス)と略しています。1NBA120ならナバテアの120ページです。

b.「思われる・想像する」は当然ですが「判断する」という表現も妄想,もとい想像に基づくものです。注意しましょう。

c.夢解釈の時系列はカラーでの閲覧を強くお勧めします











2.背景編

森作品はスカイクロラとS&Mシリーズの他は数作しか読んでいませんが,言えることは『そんな技術があるなんて知らなかった』をミステリー解決の上で許しません。

簡単なところでは,読者が『12進法なんて普通の人は知らない』なんて思っても,知ってる人は知ってて使ってるのですから,それでは犯人に迫れないのです。

このため,この物語を解くためにまず背景を捉えます。






(1)作品の時代背景

捕鯨が非難されているのは日本を意味し.それ以外の国が(採油目的含めて)捕鯨をしていない頃なので1950年代後半で現代継続中の話。

それを過去の話として,二回の大戦も経験していることから,舞台は未来の日本でしょうか。

しかし,ロケットはあるがジェットエンジンはない等,未来の話と見るには明らかに文化レベルにばらつきが見られ,

今ある技術だからといって,物語世界にもあると考えるのは危険です。

だからといって,本文に直接的な記載のない物はすべて存在しないというのも厳しい。

とにかく考えるのに一定の基準が必要です。『二回目の大戦の後,あの実験が始まったときから』という文章に着目しました。

ある実験が何かは不明ですが,これにより第二次世界大戦後,実験開始に伴いパラレルワールドへと移った未来世界の日本と想像します。

文化レベルについては分岐前からあった技術,つまり第二次世界大戦終了以降のものは文中に明記されていない限り無いものとして扱います。

なお,性ホルモンの発見は1929-30年代の事のため,この場合,性ホルモンを利用した性転換は在る(一般的ではないとしても科学者や会社には入手可能)ものとして扱えます。






a.飛行機

双翼機の時代でジェットエンジンが出来る前

ロケットのソフトランディングを民間人(フーコ)も単語として知っている(4CtS22)。現実には1970年代以降か。

金属じゃないんですよ(夢の中で出てきた機体。逆説的に複合材料のような軽い非金属材料は夢想レベル。プラスティックはある)(2DtH67)

b.文化レベル

ジュークボックス(1940年代以降)がある,連絡は主に有線電話か。携帯電話を誰も使っていない。

人間は子孫繁栄に関係の無い生き方をしている

c.歴史

二回目の大戦のあと,あの実験が始まった時から…(5SC92)

昔,この国は海から魚や鯨を捕った(5SC295)






(2)キルドレ

会社の開発した遺伝子制御剤の名前だが,その副作用で生まれてきた成長しない子供への呼称としても使われます。

今の呼称は(killer+children:恐ろしい子供達)で間違いないでしょうが,本来用途は(killed+chikdren:飼い馴らされた子供達)で良 い子ちゃん製造薬かななんて妄想したり。

特徴としては15,6歳程度以上には成長しないという肉体的なものの他,記憶が曖昧になる。

また,同じような毎日が続くと何も記憶しない上に成長もしないため長期保管が可能です。

普通のキルドレでも稀に壊れます。非キルドレ化・再キルドレ化した場合は突然幻覚を見たり,伝聞を実体験のように記憶したりして壊れます。






a.背景

キルドレが生まれて20年程(5SC294-296)

遺伝子制御剤の開発の途中で生まれた(5SC294-296)

15,6歳程度の外見になると成長しなくなる,






b.キルドレ症状

とても忘れっぽくなって夢を見ているような,ぼんやりとした感情が精神を守っている。昨日のことも昨年のことも同じと考え,夢のことで過去にあった現実を改ざんする(5SC296)

etc…






c.非キルドレ時症状

起きているのに夢を見ているように幻覚を見る(4CtS122)薬の禁断症状という流れで書かれているが,相良葵達は主人公が混乱しないよう症状に対して全てを正直には話していない。

4CtSの草薙の症状は体験したことのみではなく,聞いたことまでまさにいま自分が体験しているように感じている。

4CtS126で一度そうなったことを消すのは難しいと書かれている。キルドレ→非キルドレ→キルドレとなった場合,キルドレ・非キルドレ両方の症状を受けると考えられる。






d.保管

肉体的な変化を無くしたキルドレは同じルーチンに対して,無意識に処理しようとする(4CtS124)

つまり,同じルーチンのみで新たな刺激を与えなければ,キルドレは全てを無意識に処理して老化も無いため,ただ時間だけが過ぎる。

会社が配置先に迷うキルドレをこの状態において長期管理することを『保管』と名付ける。(妄想)






e.キルドレ⇔非キルドレ







(a)小説内バックデータ

『非キルドレ化する方法を発見した』『薬?』『単純な薬ではない』(3FiL154)

『私,妊娠したことがある,それが原因だったみたい』(3FiL199)

受精,妊娠後の草薙がキルドレ→非キルドレの実例(3FiL159,196)

草薙は『女性は難しくないが,男性の非キルドレ化は別の型の血液を輸血すれば起こりうる』(3FiL198)といっている。

しかし,草薙は専門家ではない上,実例を見た訳でもないためこれは未確認(誤認用?)情報。

『男性の場合は理論的には一生キルドレのまま』(4CtS126)

5SCにて,カンナミは肉体的に男性と考えた方が自然。(5SCの2時系列説を採用すれば性能力のある必要まではない)

(b)科学データ

身体と逆の性の性ホルモン投与の特徴は髭が生える,胸が出る,肉付きが変わるなど。


性ホルモンおよび軽易な手術で最低限のごまかしは可能と判断します。詳しくは各自調査ください。





以上から,キルドレ→非キルドレは妊娠による身体変化が成長を強制して発生すると考えた。

逆に非キルドレ→キルドレは男性ホルモンの注射による女性性の強制的終了。

この延長で,男性の女性化もキルドレ→非キルドレの手法と推測されるが,現状では不明としておく。

相良葵は性転換の詳細は知らないものの,性ホルモンの入手自体は可能。会社(甲斐)はきちんと男性化させられると判断した。

結局,非成長を促すキルドレ因子とでも言うものがあり,ある程度まで成長するとそれ以上の成長を抑止する。

キルドレ因子はキルドレなら誰でも初めから持っているが2次性徴と共に発現。

以降,妊娠など強制的な変化が生じない限り成長は抑制されると妄想中。






なお,以下はアンクリアな箇所。詳しい人情報お願いします。


@科学的に考えてみると?



GnRHというホルモンの活性は子供のころ低く,生殖を司るため2次性徴以降周期的に活性する。しかし,妊娠すると非活性になる。



キルドレ因子を抑えるホルモンとして怪しい。キルドレ因子の発現がGnRH活性を要求すると考えるならキルドレが第二次性徴まで成長出来るのも妊娠でキルドレ因子が発現しなくなるのもOK



この活性・非活性を間接的に調整させられればキルドレ⇔非キルドレは自在。ただし,妊娠・堕胎以降も非キルドレ化が継続しているがこれはGnRHが原因とは考えにくいため現状×


A草薙へのホルモン投与は相良葵による注射1回だけ。継続投与ではなくても効果があるのか。効果がある量を一回で投与するのは副作用が高すぎないか。



→再キルドレ化には1度で十分。草薙をカンナミユーヒチとすることに決めた会社(甲斐)が草薙男性化(再キルドレ化)のため継続投与した?


Bキルドレ同士で妊娠しても非キルドレ化しない(3FiL199)。この理由,父親がキルドレかどうかでの大きな違いは?



キルドレと一般人の違い。この条件からも森さんはキルドレ⇔非キルドレの方法についてクリアに出来ると考えているはず。



これがわからないと困るということはないが,これを(ヒントとして)出してきている以上,不明なのは不気味。



(キルドレ同士となれば会社内のことなので,会社に隠されて表に出ていない。相良葵の持つ情報について,会社は公開されるのが嫌なだけで情報自体はすでに知っている,なんて可能性もあり)






f.会社

0SIのHeartDrainは,会社が自社に都合の良いように事実を簡単に捻じ曲げる点を描いている(0SI150)

会社にとって,発表する内容が事実かは大事ではなく,会社のイメージをキープできるかが大事。

このため,会社の公式発表との間に見られる時系列的にフォロー可能な範囲の齟齬は『虚偽の報告』によるものとして許容する。






(3)妄想・仮説・検証の前提

a.この作品で大事なのは事実とそれ以外を選り分けること。事実以外について以下の通り類型化します。

@偏見や思い込みによるもの:根拠の示されない会話文。

A会社による虚偽の発表に基づいた内容

B5SCは他人の記憶の混入したカンナミの一人称作品として,伝聞した可能性の在るもの,夢で見た可能性の在るものはカンナミの実体験以外として矛盾を問題視しない。











3.謎解き

以上を踏まえて謎解きをしていきます。

謎は3つ。他の謎は(正解にせよ不正解にせよ)これ等の解から自然と導かれます。

(1)5SCに登場する指揮官の草薙は誰か

(2)5SCに登場するカンナミは誰か

(3)4CtSの主人公を草薙とするなら,草薙とフーコはいつ仲良くなったか

5SCについては冒頭に記したブログの通り2つの時系列に沿った話として,αをリアル草薙・土岐野・栗田後任者の話,βを偽草薙・土岐野・カンナミの話とします。

(αはリアル草薙の記憶としておよび伝聞としての栗田後任者を知っているカンナミ草薙の幻覚となります)






(1)5SCに登場する指揮官の草薙は誰か

a.指揮官草薙の時系列

「このあと昇格して指揮官になる(2DtH261)」と言われてチーチャと戦闘

スイトにとっては『戦闘に勝って生き残れば』という条件付だが,互いに空砲と決めていた会社側からすれば,これは既に決定事項。

次巻の3FiLでは既に栗田・土岐野の指揮官となっている






4CtSのエピローグの時期は4CtS327-332によれば以下の時間関係を持つ

4CtS開始の半年前にクサナギ大尉は公式には失踪して実際は病院に居り,4CtS本編と同時期に(記者によると偽者が)復帰。(カンナミは4CtS本編の半年後に当たるエピローグでは噂になるほどの新人パイロットとして活躍している)

4CtsS本編を終えて一月程度で会社は草薙に対して重大な決断をしたと思われる。また,

@4CtSの主人公は半年前に河川で4機を撃墜している

Aカンナミは半年位前から今の基地に居る

B草薙は死亡したと発表されていたが半年程前に突然指揮官として復帰した

(ちなみに半年前の半年前,つまり一年前の大きな戦闘でクサナギ大尉は亡くなったと発表されている。

 大きな戦闘の時期は明示的ではないが「死亡を知ったのは一ヵ月後」と半年前の時点の会話にある)(4CtS162)






b.草薙の噂

特になし。例えばミツヤはカンナミの方により興味があった(5SC209)






c.まとめ

5SC草薙として必要なことは以下の通りです

@草薙と長く接していること。記憶移植が無い以上,これは必要。

Aパイロットとしても高いスキルがある(カウリングなし,燃料もほとんど無しで戦闘した。カウリングなしは防御力ダウンなだけだが,パッと見て弱いと分かるレベルのパイロットでは草薙 ではないとばれる)






時代考証で考えた通り性ホルモンの注射と軽易な整形手術による女性化は可能です。

孤高の女性指揮官草薙の条件として真に女性であることは不要でしょう。

ならば,この2条件を揃えられる最適候補はクリタジンロウです。

笹倉や土岐野,作中に居ない人も候補にはなりますが,年齢やら何やらでちょっと微妙。

それよりは栗田の方がよっぽど自然。






栗田は草薙に撃たれて死んだことになっていますが,正確には銃声が聞こえただけ。(0SI212)

会社にとってキルドレは隠れ先さえ分かれば殺すより『保管』する方が効率的ですから,(結局銃殺すると見越した上で)敢えて殺傷力の無い銃を草薙に渡しておき殺したと思わせ,後で回収に向かった。草薙に対しては死んだと思わせたままにしておいた。なんて空想を広げることもできます。






4FiTのエピローグで栗田は花束を買っていこうを思います。誰へ?

栗田の思いは明白。栗田が過去を全て覚えていて,それで草薙を演じているとしたら…

5SC草薙のカンナミへの発言の数々,また違って聞こえてきませんか。






(2)5SCに登場するカンナミは誰か

a.矛盾する時系列

前提条件として,こちらのブログにある通り2つの時系列があると考えます。

時系列が一つと考えると問題として成立しない可能性が高い(というか私には解けない)上,これを否定することも困難なため全面的に採用です。

4CtSで主人公は幻覚を見ます。5CSではより自然に過去の記憶(伝聞を含む)が割り込んできていると考えます。






b.カンナミの噂

新人なのに凄い戦果を上げている(4CtS330)

『前の会社に居たときだ(5SC18)』この会社では新人だが,その前に別の会社に居た。と(履歴書にあり)本人もそう思っている。






c.まとめ,の前に

さて,5SCカンナミは矛盾点だらけ。精神病んでる,で終わりにしても良いけれどなんでそうなのか原因くらい考えてみよう。

母と姉が居る(5SC92不明):


フーコが好きなのは嘘の昔話(4CtS52)。もしフーコと親しかったなら何度となく何種類となく昔話を聞いているはず。

カンナミ:不時着に失敗して堕ちたことがある(5SC182)

4CtS主人公:滑走路じゃない場所に乱暴に着陸した(4CtS22)




 だらだら書いてきましたが,結論としてはいつも参考に書いてるブログにある通り草薙で良いと思います。

他の人思いつかないし。さて,そうなると4CtSの主人公は草薙です。何故かそうなります。続いて……






(3)4CtSの主人公を草薙とするなら,草薙とフーコはいつ仲良くなったか

a.時系列に当てはめると

草薙がフーコと初めて会うのは(1NBA144)。酔っ払ったフーコが道に落ちてるのを笹倉とバイクに乗って帰る途中に見つける。

続いて,(1NBA248)にて草薙がチーチャと関係を持つ場面でも,本来相手をするはずだった女としてフーコが登場。

文章に書かれているのは以上。あとは突然4CtSで仲良くなっている。



b.妄想の前提

これだけでは何も分からないので妄想。前提は次の本文達。0SIは解答編なのでヒントと捉える。

@『貴方が来たってことは,ジンローは死んだってことだよね』フーコはベットに腰掛けてそう言った(5SC68)

Aフーコから基地の≪みなさま≫に絵はがきが送られた。(0SI185,186)

B絵はがきは親しいと思われたマシマが受取り,マシマは死んでこれが発見されたらフーコとの関係を誤解されるな,と思った(0SI186)

 補足.「ユリちゃん栗田さんと仲がよかった」「フーコもそうなんでしょう?」「意味が違うよ、ぜんぜん」(5SC97)










c.さぁ,妄想をしようか

栗田を撃った草薙は自分が殺した栗田の部屋を整理する。その際,フーコが(気紛れで基地のみなさまに)送った絵はがきを発見して関係をみごとに誤解する。

(栗田と一緒に逃げた女は別に居るが,栗田が屋敷によく行っていることとその目的は知っていたのだから,親しい相手位に思うのは問題ない。補足はそれを念頭においてのカンナミ草薙による回想と思われる)

草薙なら自分が殺した相手の親しい人に殺したことを自ら告げに行く(かも),そのままその人の大事な人を殺した自分を殺してほしいと頼む(かも)。

フーコはフーコで栗田が逃げて草薙が追いかけているという噂くらいは入手しているはず。結果,b.@のような発言になった。

ティーチャとの行為を知っている上に,今回のこの訪問(草薙はこの時点で壊れつつある)。フーコの母性本能は完全に火がついてしまった。

さらに,栗田を撃った草薙は以降あきらかに精神を病んでいく。

堕ちていく草薙。それを溺愛するフーコ。擬似親子関係が産まれても不自然ではない。 えぇ,断言しますとも。なんら不思議はない!



……一応,フォローとして「良い子ね,なんて良い子なの。可愛い私のものよ。なんて愛らしい,笑って,可愛い子。ずっと私のものよ(4CtS9)」は草薙が病院を逃げ出してフーコと一緒に居るシーンで起きる前に聞こえた声。過去の(伝聞を含む)記憶としても良いが,実際に草薙が寝ている間にフーコが言っていたと考えても自然。

また,(4CtS40,99)から草薙と会う時は屋敷以外(基地の草薙の部屋?)でフーコも酔っていないことが分かり,ベッドの中で彼女と世間話をしたり(4CtS43)キスしまくり(4CtS16,21)の様なフーコの態度は草薙が友人以上に気を許しているように感じる。ま,決定的な証拠はないので状況証拠からの想像を出ません。


蛇足ながら,5SCラストから0SIのDoll og Glory,Ash on the Skyに至るまでの草薙について,幸福な予定調和を考えのベースに置いた流れを書きますと,@偽草薙(栗田)を撃ち,壊れて病院へ。A病院の穏やかな環境で函南として暮らし,瑞樹の見舞い等を得ながら回復していく。Bカイと一緒に二人暮らし開始,更に回復する。Cフーコを訪ねに旅に出る。再開。
この辺の細かな所については解釈しだいで幾らでもって感じです。



抑えて置くべき大事な点として,『人を撃った夢』と『思い起こされた女』もあります。
『人を撃った夢』:(0SI248)で撃った一人目は(4CtS315,316)僕に打たれる相良。二人目は(0SI210)姉に打たれるクリタ。(0SI253)もう一人の撃った相手は僕だったと言っており(5SC317)偽草薙(栗田)でしょうが,胸から血を流している以上彼はここで死んでる可能性が高い。
『思い起こされた女』:(0SI242)思い出す女の一人目は再キルドレ化させた相良,(0SI244)もう一人はフーコ,別の女はカイでしょう。フーコは頭から血を流していませんが夢解釈なら母親みたいで甘えたくなる相手なのでこうなります。では何故頭から血を流したことになっているのか。頭から血を流しているのは(5SC11)で夢に出てくる物理学者の恋人。これは(2DtH139)でリアル函南の話から派生したものですが,一緒に逃げた大切な人(女性)ということでフーコにこの夢が被り,フーコ=頭から血の出ているとなったのでしょう。


★終わりに
いかがでしたでしょう。気付いたことや感想などはBBSへお願いします。


以下はこの解釈に沿った際の物語の流れになります。







4.夢解釈に基づく時系列
 (橙色は草薙,青色は栗田,黒はその他,解説)


チーチャの居る基地に笹倉と異動になる(物語が動き始める)



フーコ,道に落ちてるのを草薙と笹倉に見つかる。草薙との初対面(1NBA144)


草薙の基地に異動してくる。ヒガサワも(1NBA180)

ヒガサワ死亡。草薙,チーチャと関係を持つ(1NBA248)



フーコ,チーチャの相手をするはずだった女として登場
草薙と栗田がよく話をする仲になる(1NBA254)






妊娠,堕胎を希望するが子供はチーチャが引き取る(1NBA301)

(関連状況)チーチャ退社,以降敵対会社に属する。堕胎手術担当した二人は相良で相良葵と同姓。

妊娠により非キルドレ化











負傷により入院,カンナミに会う(2DtH冒頭)

記憶のないカンナミの空のように透明な目に惹かれる。(2DtH57)

記者会見や講師などの仕事を回され戦闘等の危険な任務からは外される。






「このあと昇格して指揮官になる(2DtH261)」と言われてチーチャと空砲戦闘。

以降,指揮官となる。











栗田,笹倉と共に基地を移り指揮官となる。栗田の同僚として土岐野登場(3FiL冒頭,39,88)



草薙はこのころ指揮官として不自由な立場のため,土岐野・栗田ペア等のパイロットたちに強く憧れる(5SCの記憶に強い影響を与える)


いつも通りフーコと会い基地へ帰る途中で相良葵宅による。


チーチャー機と出会う。

「草薙が一度だけ来たことがある」と,フーコが栗田に話す(3FiL65)


草薙の思考を無意識にトレース。草薙と甲斐の会話からそれが正解?だと分かる(3FiL74,84)



栗田の考えと甲斐の考えで原因は違うが,草薙がチーチャの件を甲斐に素直に話すはずが無い。



読み手としては草薙のいらいら原因は栗田の思考トレースが合っていると判断する。


機体トラブルで路面に不時着。相良葵と話をする(3FiL100,104)


相良葵を駅まで逃がす(3FiL154,159)


草薙と甲斐に嘘を付く。草薙にばれると感じる,嘘を隠し通せと目で命じられる。



情報部の甲斐ではなく草薙に嘘をばれると感じたり,視線だけで命令を理解するのはかなり深いのでは…と想像する。


草薙の護衛として草薙母の葬式に向かう車上,草薙からキルドレではなくなったと聞かされる(3FiL196)


葬式にて瑞樹と会う。その後,相良葵に撃たれる(3FiL206,214)

相良葵に狙われるが栗田に守られる。相良葵は警察に捕まる(3FiL215,225)


草薙に離別の電話をかける(3FiL235)


研究所にて三ヶ月保管される(3FiL241,258)



マシマ・サカシロ,土岐野と組む


大きな戦闘に参加する。黒猫の機体と戦い,『草薙の声』を聞き間一髪で撃墜を免れるも不時着する(3FiL295,304)


病院で『花束を買って○○に会いに行こう』と思いながら眠りに付く(3FiL終章)







優しい女と逃亡するも草薙に見つかり,撃たれる。その後,会社に連れ戻され保管(0SI212,妄想)

栗田を撃って(殺したと思い込み),それがとどめとなり精神崩壊する。不時着による病院に保管される(0SI212,妄想)

(この間にフーコと仲良くなり,かなり好かれる)



この際の追跡旅行は瑞樹にとって姉との数少ない大事な思い出の一つ

大きな戦闘でクサナギ大尉は亡くなったと発表される(4CtS327-332)

相良葵が面会にやってくる。男性ホルモンの注射によって妊娠による影響が終わり再キルドレ化。



病状の回復はこれによるもの?

名前も思い出せないまま病院から抜け出す(4CtS18)

フーコに助けを求める

『擦り切れるまで飛び,ねじ切れるまで戦う』という約束の記憶(4CtS24)



飛ばせてもらえなくなった頃数度懇願している(2DtH104,166)

フーコと分かれて電車で相良葵に会いに行く






相良葵等の基地を襲撃に来た散華を河川で4機撃墜。相良葵を希望に従い射殺。カンナミとして会社(甲斐)に復帰する。



会社(甲斐)は草薙が精神的に回復したが,草薙としての記憶をなくしていることから復帰は不可能と判断。



腕前はこれまで通りのためカンナミとしてのリユースプランへと移る。



同時に,保管していた栗田を偽草薙として復帰させる。






甲斐,草薙名義でフーコへ送金する。(0SI183,妄想)








サカシロ撃墜され死亡(0SI166)



フーコはマシマとの夜を最後に出て行き,店を作る(0SI185)



土岐野死亡,または異動?(0SI187,188,妄想)








半年経過(マシマ死亡?)

有能な新人パイロットとして噂になるほどの成績を上げている(4CtS330)



ソマナカは草薙に似ていると思うが他の人は気付かない(4CtS330)



以前は別の会社に居た,と本人は思っている(5SC18)







偽草薙指揮官として奮闘中。


目(ライト)が二つ黄色く光っていて足元に塵が燃えている(栗田の道路着陸を見て栗田機を神様だと思った老人)


足元に細かい火花がこぼれ,瞬いているように思う(新しく来たパイロットが偽草薙らしき女性を見て)



かなり間接的な上,ミスリーディングの可能性もあるが,解答編なのでヒントと判断する(121,130)



(実際の栗田着陸地点からずれているが,老人は神がこの道を通るというだけで場所は限定していない)






偽草薙が指揮官で笹倉も居る基地へと異動になる(5SC冒頭)



カンナミだと思い込んでいる草薙と,偽草薙指揮官としての栗田二人の基地ライフ



カンナミが草薙だと知っているのは,栗田(偽草薙)と瑞樹と会社(甲斐)。特に『栗田=偽草薙で,栗田は記憶がはっきりしてる』そう思って読むと台詞の端々に凄みが増します







「カウリングに二発当たったと聞いた」(5SC88)

「角度的にエンジン内へは無理だと思います」 ほぼ確信があった



入射角20度以下ではカウリング内に入らないことをナバテア初期で草薙は実体験(撃たれた)している(1NbA19,44)






「どんな任務ですか?」


「そうね…… 私のボディーガード」



ボディーガードは草薙の護衛で葬式に出向いた際に,栗田が瑞樹に向けて話した単語(5SC120)






「僕の履歴ファイル見てないの?」



「見てない」


「新しい部下の過去に興味を抱かない上司って珍しい」



「どうしてだと思う」




栗田にとって嘘で塗り固められていることが分かりきっているカンナミ草薙の履歴ファイルなどに興味はない(5SC134)







『つまらない間持たせのためだけの話…』



瑞樹:「ああ,……なんだかいらいらする」



甘えたいのに,本当のことを言えないため余所余所しさの続く状況に対して(5SC150)






「クリタさんもここへ来たことがある?」


「ええ」……「何故?」



空中戦なら致命傷になりかねないタイミングだった(5SC187)






「僕は堕ちたことがあるよ」


「え? どこで?」



草薙が堕ちたのは,栗田が基地を離れた後(さらに言えば栗田を撃った後)。当然,栗田は知らない(3FiL181)








……



同じ基地になっても改善する兆しのないカンナミ草薙。しかも,理想のカンナミ状態に居るため草薙は楽しそう。栗田の精神は擦り切れていく



本文をお楽しみください(5SC314)

栗田の自殺を止める形で,栗田を射殺(5SC318)


栗田死亡? 以降出番なし

草薙再度病院へ

「彼女は僕を愛していない,僕も彼女を愛していない。愛情なんて理由が必要なかったからだ」(5SC326)
















瑞樹が何度も見舞いに来る(0SI195)



瑞樹就職。ピアノの先生に(0SI200)

退院,甲斐が迎え入れる(0SI219,245),再非キルドレ化(0SI240)






瑞樹と『約束』(0SI225)






フーコと再開(0SI261)



END



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