元日の海



WanNeさんの短編コンテストに応募した作品です。





読みに行く

あらすじ:
海の好きな彼女は大嫌いなあいつと7年ぶりの再会を果たす。











以下の文は文字数制限に引っかかったため省略した部分です。
読むもよし、読まぬもよし。
お好きなようにどうぞ。















 好きな人?
そんなの知らない。
私の青春は既に終わったから。
みんなはまだ大学生なんだから、という。
関係ない。

最後に恋をしたのはいつ?
そう、昔。
子供のころ。
好きな人がいた。
四年もの間、温めて育んだ、純粋で一途なもの。
小学六年の冬、あの日。
必死の思いで相手に伝えた。
そして……
捨てられた。

 あいつはその後、都会の中学へ行き、私とは別の世界の人間になった。
あいつと会う前からの友達は私を振ったのがあいつの優しさだと言う。
けれど。
私は認めない。
そんな自分勝手な優しさ。
遠くに行っても休みに帰ってきてくれれば良い。
中学、高校と付きまとっていた悲しさ、寂しさに比べれば、年数回会えるだけでもどれほど良かったろう。
別に、付きあってくれなくても良かった。
居なくなってしまわなければ。
それだけで……

 それ以来、好きな人は一人も居ない。
そんな小さい頃の事なんか忘れちまって俺と付き合おうぜ、と言う奴がいる。
俺と付き合えばそんなつまんない男の事なんて忘れちまえるぜ、と言う奴がいる。
でも、私にとってあれは小さい頃の、過去の話なんかじゃない。
忘れられる事でも無い。
そして、あいつはつまらない男なんかじゃ絶対にない。
風の噂に聞いた。
いや、必死に調べ上げた。
あいつは帝都大に受かったらしい。
あいつだけしか見えてなかったあたしを捨てて。
こんな田舎の大学に埋もれているあたしを置いて。


いらっしゃいませ。
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