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この別れが

2-2 それでも

作:夢希

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 このお話は当HP現代小説の夢の章に属するお話となっています。
気に入られた方はこちらから他のお話もどうぞ。
夢の章は舞台の絡み合う短編集となります。




 これ以下は背景説明です。
読んでいく上では要らないのですが、読んでて不思議に思われた方へ。
舞台裏なんて要らないと言う方は飛ばして下さい。
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 おばあちゃんは何人も子供を持っていますが重要なのは次の三家族になります。
ちなみにおばあちゃんの家は山地帯の村神保にあり、おじいちゃんはとっくに亡くなっています。

汀の家族:
実は帝都に住んでました。
長男の家系であり父親はおばあちゃんから後継ぎと見なされていました。
結婚時にちょっとした問題があったわけですがこれまた長男パワーで説得。
父親が長男なのに汀の年齢が親族の子供の中でも若いことを考えると高齢結婚なのかもしれません。
『この機会を潰したらこの子二度と結婚しないのでは……』とおばあちゃんが怖れていた可能性も無きにしも非ず。
長男には極端なまでに甘いおばあちゃん、お陰でその子である汀もかわいがられています。
両親は直系のお墓に入っています。

篤志の家族:
神保からさほど離れていない和泉と言う海辺の町に住んでおり、汀を引き取ります。
長女の家系ですが父親が養子としてもらわれてきており汀の両親死後は次男が後を継ぐのを拒否したため、次の代に篤志と汀という良い血があることもあって次代への橋渡し的なものながら後継ぎの家系と見なされています。
ただ、結婚時点では後継ぎたる汀の父親は存命中で、それ以外の男子ももちろん居たため篤志の父親が養子としてもらわれる必要性は特に無かった訳です。
我が侭ですかね。
そう言うわけで篤志は直系のお墓に入っています。
蛇足ながら汀が幼稚園年長組でもらわれて来る時点で篤志は中二。

遙の家族:
四男の家系ですがこれまたおばあちゃんに逆らって『どこの馬の骨とも分からない女』(おばあちゃん談)と結婚します。
長男への理解と違って結局最後まで許しを得られなかったため半ば逃げるように都会へと移り子供を設けますがその直後に父親は亡くなってしまいます。
小さい子供が居ては思うように仕事も出来ず、結局母親はおばあちゃんに泣き付きます。
本当は『良い気味、野垂れ死ね』等と思っていたかは分かりませんが遙と言う忘れ形見の孫も居ることですし自分の子供の死に感傷的になってたこともあっておばあちゃんは村の粗末な家を一軒貸し与えてそこに住まわせます。
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